湖上のオーロラ
こんな不便なアビスコ村にわざわざ移動したのは、この村がスウェーデンでも屈指のオーロラのよく見える場所だからです。観測地もホテルから車で1分(徒歩でも行けます)の湖畔。最高のロケーションです。この日は少々曇っていましたが、それでもオーロラは見えました。
Northern Light on Lake Tornetrask
だんだんはっきり見えてきた
最初は北の空だけに見えていたオーロラも徐々に広まってきました。
Northern Light on Lake Tornetrask
ボートハウスとオーロラ
観測地は凍った湖の上です。ちょうど岬にボートハウスがあり、これを入れた構図がとても気に入りました。これは西の空からカーテン状になった見事なオーロラ。
Northern Light with the boathouse
湖上を覆うオーロラ
待つこと30分でほぼ全天を覆い尽くしました。湖上の雪をも緑に照らすほどの、極めて明るく、壮大なオーロラでした。
Northern Light which covers Lake Tornetrask
スマートなオーロラ
オーロラの出現には一晩の中でも「波」があります。爆発的に出たかと思うと、消え入るように薄れることもあります。かと思うと、このように明るくシャープなオーロラが突如出現したりして、一晩中目が離せません。
The smart Northern Light
オーロラ爆発
もうこれはプラズマエネルギーが爆発したとしか思えない光景でした。一瞬地上を明るく照らすようなウルトラ級のオーロラでした。
The explosion of Northern Light
光の饗宴
それはもうオーロラではありませんでした。天空すべてがルミノール反応を起こしたような光の饗宴でした。シャッターを押す時間も惜しいような、そんな瞬間。
The feast of the light
頭上のオーロラ
アビスコはオーロラ帯のまさに中心(北緯68度10分)に位置する村です。イェリバーレでは北の空の遠いオーロラを「横」から眺める形でした。アビスコは、まさに頭上にオーロラの輝く「オーロラの下の街」なのです。見上げると、カシオペア座からオーロラのシャワーが放射状に降っていました。
Northern Light on the head
湖上の神秘
この日はずっと凍った湖面にいました。神秘的な極光に時間も忘れましたが、もう一つ不思議な体験をしました。時折、湖の底から突き上げるような「ドーン」という大砲のような音と、足下に明らかな振動を感じるのです。最初は「氷が割れるな」と思い焦ったのですが、あとから聞いた話ではこれは「静振 (Seiche)」といって、氷の下の湖水が長期間のゆっくりとした振動を持っていて、その波が氷にぶつかる音なのだそうです。これも極北の神秘的な体験でした。
The mystery on the lake "The seiche"