北極圏旅行記 2001
「オーロラ写真撮影の方法」

オーロラ撮影は難しいと思われがちですが、機材と方法を知っていれば、どなたでも可能です。


カメラは次の条件が必要です。
1、シャッタースピードにB(バルブ)があり、長時間露光が可能なこと。
2、電池なしで駆動するマニュアルタイプであること。
3、レンズが広角(35o以下)で明るい(f2以下)レンズであること。
4、レリーズを装着できること。
5、頑丈な三脚が必要です。

写真は私の使っている「ニコンF2」です。レンズは装着しているものが「シグマ・アスフェリカル・ズーム」、予備レンズが「シグマ28o」です。この他、対角魚眼レンズも持って行きます。今回カメラを3台持っていきましたが、このニコンF2以外はすべて寒さで故障しました。

撮影の注意
1、ピント環と絞り環は、撮影中にずれないように、布テープで固定しておきます。
2、氷点下30度以下ではカメラに素手で触れるのは危険です。必ず手袋をつけてください。また10秒以上の素手の作業は凍傷を起こします。
3、フィルムの巻き上げはゆっくり。寒気で破断することがあります。
4、露光時間はオーロラの明るさ、月の有無、街の灯によって変わります。同じ構図で、15秒・20秒・30秒・45秒・1分と撮っておいてください。
5、日頃からカメラに慣れていることが大事です。手探りでもフィルム交換ができるくらい熟知しておきましょう。
6、レンズやファインダーに息をかけないこと。凍って撮影不能になります。
7、一般にレンズに懐炉を巻くといいといいますが、私の経験ではその必要はありません。今回も2時間、外に出しっぱなしでしたが、霜はおりませんでした。



天体写真ではフジのフィルムが常識なのですが、オーロラに限って、経験則からコダックがいいと思います。400、800の両方を用意することをお薦めします。



フジも800のいいフィルムを作りました。これもお薦めです。空の青がきれいに出ます。



今回同行した方が、はじめて撮影したオーロラです。なかなかの力作です。みなさんも是非、挑戦してください。
撮影;M.Sato http://www.michiyuki.com/