オーロラ&北極圏風景 生中継カメラ (オーロラライブカメラ・カメラシステムの概要)
1.オーロラライブカメラ・カメラシステムの概要
■観測現場(ポルユス・スウェーデン)
観測現場  ポルユス(スウェーデン)に、デジタル一眼レフカメラ3台、高感度CCDカメラ、ネットワークカメラ、温度センサーを設置。デジタル一眼レフカメラは、ポルユスに設置した制御用PCよりコントロールしてインターバル撮影を常時行っている。高感度CCDカメラは、ビデオサーバ装置により10秒間隔で画像キャプチャを行っている。それぞれの画像はまえちゃんねっと(千葉)に設置したアーカイブ用サーバにFTP転送している。ネットワークカメラの画像は、カメラの機能であるFTPクライアントを用いて、アーカイブ用サーバに常時画像転送している。温度データは、現地PCで温度計測を行い、10秒毎にまえちゃんねっとのアーカイブ用サーバに、UDPパケットに載せて送信している。
 一眼レフカメラ画像は、24時間適切な露出やシャッタースピードを得るために、独自ソフトウェアを開発してインターバル撮影を行っている。また、撮影した画像のFTP転送には、撮影途中での中途半端な乱れた画像データをFTP転送しないように考慮した独自転送ソフトを開発して用いている。さらに、一眼レフカメラがハングした場合にも、電源のOff/Onを自動的に行い常時撮影状態を自動復帰できるように、遠隔電源制御装置も同時にコントロールするソフトウェアを開発し用いている。
 独自ソフトウェア群の運用により、完全無人24時間観測を実現している。また、これらソフトウェアだけでは対応できないトラブルに備え、カメラのマニュアル撮影からPCの再起動まで、全てを日本からコントロールできる仕組みを整えてオーロラ観測に臨んでいる。
■画像公開(まえちゃんねっと・千葉)
まえちゃんねっとに置かれたサーバ群  ポルユスから送られてくる画像をアーカイブすると共に、リアルタイムにWEBサーバに画像転送して公開している。
 WEB公開前に、元画像への撮影現地時刻の焼き込みや温度データの焼きこみを行い、リアルタイム公開用の画像やアーカイブ用のリサイズ画像、サムネイル用の画像などを自動生成し、WEBサーバに自動転送する独自ソフトウェアを開発して運営している。これら作業と同時に、10分ごとのアーカイブページ用のHTMLファイルと24時間の連続FLV動画、1時間ごとのFLV動画を自動生成、また一眼レフ画像に含まれるExif情報(撮影時情報)を自動抽出して、その一部をポップアップ表示し公開している。
 サーバ群は千葉に設置しているが、画像取得用のアクセスラインとWEB公開用のアクセスラインは別系統のアクセスラインを用い、トラフィックの増加に備えて運用している。また、アーカイブ作業は複数台のアーカイブサーバにより負荷分散を行い、絶え間ないリアルタイム画像の公開に臨んでいる。
2.システム構成図
システム構成図
3.観測現場で使用中の主要ハードウェア (平成30年1月現在)
デジタルカメラ SONY α6300(f15mm F2.8×3,f4.5mm F2.8 fisheye×1)
高感度CCDカメラ MOSWELL MS-560A(レンズ:f2.6mm F1.0)
ネットワークカメラ Panasonic KX-HCM180
ビデオサーバ Panasonic BB-HCS301
温度センサー ストロベリーリナックス USBRH-FG(sensor SHT11)
デジタルカメラ制御用ソフトウェア Maechan-net Ltd. OBIS-AIRS/NK
遠隔電源制御装置 明京電機 RPC-5LC×3
スイッチングハブ BUFFALO LSW10/100-8HW×3
ルーター NETGEAR model WGT624v4
4.制御ソフトウェア
  • 24時間適切な露出やシャッタースピードを得るために、撮影ごとに輝度ヒストグラムをチェックしながら自動撮影を行う。1日のうち何分間のインターバル撮影を行うかの時間指定設定や、昼間の時間帯、明け方や夕方の時間帯、夜の時間帯ごとに露出値の細かな設定を施すことができる。また夜間の長時間露光撮影時には、ポルユスにおける月齢と月の位置を計算して、細かな露出調整を自動で行っている。
  • 画像の転送は、撮影した画像を撮影途中での中途半端な乱れたデータのままFTP転送しないように、画像データをチェックしながら、定期的にFTP転送を行っている。転送時にファイル名を撮影日時にリネームして転送することも可能。
  • 温度センサーより得た温度計測値を、UDPに載せてサーバにデータ転送を行っている。他地点での観測も同時に行えるように、ポート番号や識別ヘッダ文字列を任意に設定できる。実際に本プロジェクトのメンバーである田中が主宰する 北軽井沢ネットワーク でも、北軽井沢の外気温、室温データ等を常時サーバへUDP転送して運用・公開中である。
  • 以前はWindowsベースのソフトウェアで構成していたが、平成22年12月より超小型PC CompuLab fit-PC2 を導入し、全ての制御ソフトウェアをlinux上で開発しなおした。これにより、以前より軽快かつ正確に、そしてより安定した撮影&画像転送を行えるようになり、常時観測体制の強化が実現できた。これら制御ソフトウェア群は、弊社製品OBISの一製品としてご提供することも可能。また平成25年9月に設置した全天カメラでは,カメラコントロール〜画像転送,カメラ電源制御を1台のマシンで全て制御する,弊社製品 OBIS-AIRS/NKs を用い,より安定した動作を実現している。
デジタルカメラ制御用ソフトウェアの設定画面
※デジタルカメラ制御用ソフトウェア OBIS-AIRS/NK の設定画面
5.宣伝
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